今回は特に50代以降の中高年の方に挑戦して欲しい、楽で長く泳げるクロールを紹介します。年齢を重ね体力が落ちてきた、体が硬くなってきたと感じている方でも、楽に長く泳ぐことはできます。そのコツと練習方法です。
楽に長く泳ぐためのクロールのコツ
手の回し方
そもそも手を回すという言い方をすると、手をグルグル回さなければならないとイメージしてしまいます。そして無理やり手を後ろから前に回そうとして、肩を痛めてしまうことがあります。
50代以降、体が硬くなってきた方は特にそうです。そこで意識して欲しいのは、手を回すというよりもローリングと手の上げ下げを組み合わせるという動きです。クロールはまっすぐ下をむいて泳いでるつもりでも、体が交互に左右を向いてローリングしています。
競泳であれば、ほとんどローリングすることなく泳ぐやり方もあります。しかし50代以降、中高年の方でも楽に綺麗に泳ぐ方法としてはしっかりとローリングをします。
ローリングの動きと手を上下に上げ下げする動きを併せると、綺麗に手を回す動きになります。こうすることで、肩に無理をかけずに済みます。ゆったりと華麗に泳いでいる人は実はこういう動きをしているのです。
もう少し詳しく言うと、ローリングで体を右に向けた時に右手を下から上に持っていきます。そして体を左に向けたときに左手を下から上に持っていきます。これで綺麗に手が回ります。
このローリングが難しいという方、体と手の連動が難しいという方は左右のコースロープのチラ見を試してみてください。体に一本軸が入っているとイメージし、それをブラさないようにします。
そして手を回す度に腰から回転させて左右のコースを見るようにします。こうすることで自然と手の動きと連動して体が横を向いてローリングができます。
そしてこの時に一つ気をつけて欲しいポイントは、手を水から出す時に小指から出してください。そして手を前に持って来て入水させるときは親指から入れて下さい。これで一層楽に手が回せます。
そしてもう一つ、手を入水させるときは、指⇒手首⇒肘、の順番で入水させてください。入水の際に肘からバシャーンと落ちる方が結構多いです。肘から落ちると水の抵抗が大きくなり、ブレーキかかってしまいます。
指、手首、肘、の順番を意識して失速しないように気をつけて下さい。そんな細かいこと考えてられない、という方は肘を絶対に下げないことを意識して下さい。
指先が入水するまでは絶対に肘を上げたままにする。肘を上げたままスッと入水させる。これだけでOKです。これで華麗なクロールができます。
手の力の入れどころ
次に、手の力の入れどころです。できるだけ楽に泳ぐために、手に力は入れないでください。手のかき始めから頑張って力を入れてしまう方が方多いんですが、力は入れたらダメです。
むしろ力は全部抜いてしまうぐらいでいいです。そして唯一力を入れるところは、真下の90°から120°ところだけでいいです。時計の針で言うと6時から8時のところです。ここだけです。ここ以外は手に力を入れない方がいいです。
どうしてもこれが分からない、難しいという方。そういう方はもう全部力を抜いてください。変に力が入ってしまうぐらいなら、全部抜いた方がいいです。なるべく力を抜いて泳いでください。
そして手が120°、8時のところまできたら、そこから肘を上げて手を水から抜いてください。最後まで手で水を押して跳ね上げてしまう方が多いですが、押せば押すほど体が反ってしまいます。
体が反ってしまうと足が沈み、水の抵抗が大きくなりブレーキがかかってしまいます。ですから、手が120°、8時の位置ぐらいに来たら、スッと水から抜くイメージです。そすることで、フラットなポジションを保てます。
呼吸のコツ
次に呼吸のコツです。呼吸は基本的に吐いて、吸って、止める、のリズムです。これをずっと一定のリズムを保つようにしてください。このリズムが崩れてくると、すぐに疲れます。
一定のリズムを保つのに大切なのが吐くことです。しっかり吐いていないと新しい空気を十分に吸うことができません。すると苦しくなりリズムが崩れ、ますます苦しくなるという悪循環に陥ります。
ただ、ここで気をつけて欲しいのは100%吐き切らないということです。吐くのは70%程度で、後の30%は残しておいてください。できるだけ新しい空気をたくさん吸うために、全部吐き切って肺の中の空気を総入れ替えしようとする人が多いです。
しかし、肺の中の空気を全部出してしまうと体は沈みます。ですから、30%ぐらいは残しておいてください。それぐらい残しておけば、体は沈みにくい状態になります。ただでさえ吐くと沈むのでなるべくちょっと残しておきたいわけです。
お勧めの練習方法
では、おすすめの練習方法を3つ紹介します。まず1つ目は水中歩行です。水中歩行は手の動かし方、力の入れ方、呼吸を意識して練習してください。なぜかと言うと、泳ぎながらいろいろな動きをゆっくり確認することは多分できません。
ゆっくりしてらやっぱり沈んでしまいますから。ですから、歩きながらゆっくり確認します。そしてその動きをしっかりと体に覚えさせることが必要なのです。水中歩行で体の動きを覚えることができたら、その次に片手クロールです。
これは左右それぞれの手だけを回してクロールします。水中方向でやった動きができるようになってるかがポイントです。上手くできなければもう一度水中方向でやって、その後また片手クロールで。これを繰り返すことでだんだんうまくなっていきます。
これができるようになったら、最後に3回クロール3回背泳ぎです。これは体のね連動にすごく繋がってきます。クロールで3回手を回したら、そのままクルっと仰向けになって背泳ぎで3回手を回し、またクルっとうつ伏せになってクロールに戻ります。
これを繰り返して泳いでいきます。これは体の連動だけでなく、ずっと前に体重を乗せるという練習にもなります。これができるようになってくると、前に体重が乗ってくるので体が沈みにくくなっできます。
そして足の抵抗がなくなってきますので、抵抗を減らすための練習にもまります。クロールから背泳ぎに切り替える時にしっかりと前に体重が乗って、足が沈んでいないかということを意識しながらやるといいです。
以上を反復してやるとかなり効果が出てきます。
まとめ
今回は特に50代以降の中高年の方でもできる、楽で長く泳げるクロールについて説明しました。健康増進にもつながります。体力が落ちてきた、体が硬くなってきたという方でもできる泳ぎ方です。
この歳で今さら…などと思わないでください。何歳になっても格好よく綺麗に華麗にクロールをしているご自身の姿をイメージして、楽しんでチャレンジしてみてください。
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