背泳ぎは手の動かし方次第で、誰でも楽にもっと進むようになります。私の娘は姿勢とキックと呼吸に気をつけることで、荒削りながら背泳ぎができるようになってきて、スイミングスクールでの進級テストをパスしましが、案の定、次の進級テストで基準タイムが設定されると、それをクリアすることができませんでした。
背泳ぎをもっと速く進むようにするにはどうしたらいいのか、そんな課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方々の参考になるような腕の回し方、手のかき方についてお話ししたいと思います。これはスイミングスクールに通っていても、意外に知らない人が多いようですので、ご参考にしてもらえれば嬉しいです。
楽に速く泳ぐための手の回し方
正しい手の回し方の1つ目のポイントは親指から出して、手の甲か小指の方から入れる、です。水をかき終わって手を水から出す時は親指から出し、手を上にもってきて入水の時には手の甲を意識します。
そしてこの時に体をローリングさせて肩から回すイメージで手を入水させれば、自然と小指の方から水に入ると思います。こうすることで、楽にきれいに手が回ります。
2つ目のポイントは手のかき方です。よくあるのが、手をまっすぐ伸ばして大きく体の後ろまで回そうとする人が多くみられますが、実際にはそうではなく、体の横をかくイメージです。
その際に体をローリングさせているので、見た目には体の後ろをかいているように見えているだけなのです。体をローリングさせて体の横をかく、です。
3つ目のポイントは手をかくスピードです。早く泳ごうとするあまり、入水直後から目一杯力を入れてかく人がいますが、これでは疲れるばかりで、その割にはあまりスピードが出るわけではありません。
入水直後、最初はゆっくりとかきながら水を掴み、体の横からかき終わりにかけて力を入れて速くかきます。そして最後にシュッと手首のスナップを聞かせて水を下に押します。ちょうどボールを下の方に投げるような感じです。
手をまっすぐ伸ばして水をかこうとする人や、逆にひじを曲げることを意識しすぎて窮屈になってしまう人がおおいですが、ボールを投げるような感じを意識することで、無理にひじを意識せずとも、自然とちょうどいい感じにひじが曲がると思います。
やってはいけない手の回し方
これら3つのポイントを意識することで、楽にきれいに手を回すことができるようになりますが、この時に1つだけ注意して欲しいことがあります。それは、ローリングを意識しすぎて手の入水位置が体の中心線より内側に入ってしまうことです。
こうなると、まっすぐ進まずにジグザグに進んでしまうのでとても効率が悪いです。背泳ぎでまっすぐ進めないという方が結構いますが、そのような人は大抵手の入水位置が体の中心線より内側に入ってしまっています。
ですから、イメージとしては体の外側に入水させるぐらいの感じでちょうどいいのです。グリコの看板ぐらいのイメージでOKです。そうすれば体をローリングさせたときに手がちょうどまっすぐ体の上、中心線にきます。
そしてこの時に体重をグッと体の上半身へ乗せてやると、足が沈みにくくなって、水をかいた時にスーッと進みやすくなります。この体重移動の感覚が難しいという人は、すこし頭を水に沈めるような感じを意識してみてもいいと思います。
体重を前へ前へかけてやる体重移動は、背泳ぎだけでなくすべての泳法においてとても大切です。この感覚がつかめれば、泳ぎが格段に上達します。
おすすめの練習方法
片手背泳ぎ
これらのことを身に着けるためのお勧めの練習方法の、1つ目が片手背泳ぎです。両手を上にあげた状態から片手だけを回して水をかきます。これを左右それぞれ行ってください。
この時に入水時の手の角度、手をかくときの手のスピード、ボールを下の方に投げるような感じを意識して最もよく進むポイントを探して下さい。
またこの時、両手を下におろした状態、気をつけの姿勢から片手だけを回して水をかくのもやってみて下さい。両手を上にあげた状態では体をローリングさせて肩を入れることがやりにくいです。
両手を下におろした状態で、片手だけを回してローリングして肩を入れる感覚をチェックします。この時、グリコの看板ぐらいのイメージで体の外側に手を入水させて、手が体の中心線より内側に入らないことを意識します。
両手背泳ぎ
もう1つのおすすめの練習方法が両手背泳ぎです。これは、両手同時にで手を回していく練習です。片手背泳ぎと同様に手の回し方とかき方にも注意しますが、ここでは特に体重移動の感覚を意識します。
手を上にあげて入水させるときに体重をグッと体の上半身へ乗せてやる感じ、または頭を水に沈めるような感じを意識してやってみて下さい。
体重を前に前に、上に上に持ってくることができると、足が沈みにくくなり水の抵抗が少なくなるため、一段と進みやすくなります。
まとめ
背泳ぎのスピードアップに必要な手の回し方、かき方のポイントと、その習得に有効な練習方法についてお話ししましたが、これで私の娘は背泳ぎでの基準タイムをクリアすることができました。
ただ、スイミングスクールでは昇級テストをパスすることばかりに意識が向き、基準タイムをクリアできないと、がっかりしてしまうお父さんお母さんが結構いらっしゃいます。
私の娘も、友達は基準タイムをクリアしたのに自分はクリアできなかったとき、落ち込んでいました。そんな時にお父さんお母さんががっかりしていると子供はもっと落ち込んでしまいます。
ですから私は、基準タイムをクリアできなかったことは残念だけど、一生懸命チャレンジしてた姿がかっこよかったと、笑顔で褒めてあげました。もちろん、競技になれば相手との勝負になりますが、それまではいかにして昨日までの自分を超えていくかです。
昨日より上手になった、昨日より少し速くなった、と、どんどん褒めてあげたいですね。そして、遊びの中に練習を取り入れてあげます。
例えば片手背泳ぎや両手背泳ぎであれば、何回手をかけば15m、25m進むか、出来るだけ少ない回数に挑戦、などしながら、焦らず楽しみながらやってください。きっと、気づけばいつの間にかすっかり上達していることと思います。
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